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zoom RSS 「リコッタチーズを食べる人々」

<<   作成日時 : 2008/05/18 11:26   >>

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「食べる西洋美術史」(宮下規久朗著・光文社新書)を即読む気になったのは、口絵でヴィンチェンツォ・カンピの「リコッタチーズを食べる人々」という絵を目にしたから。(以下、『』内は同書より引用)

マスカルポーネについても同じシチュエーションで全く同じことを思ったが、お菓子の材料として買ってきて、そのままではどういう味なのか食べてみようと初めて口にしたとき、そのおいしさに「こんなおいしいもの食べてる人たちにはかなわない!」と、初めて牛肉(?)を食べた日本人みたいな衝撃を受けた経験を持つ私としては、リコッタという文字には反応せずにはいられない。何がかなわないんだか自分でもわからないけど。
『豆腐のようなものだと考えればよいだろう』と紹介されている。私が食べたのはもっと甘くてクリーミー。これだけでとてもおいしいのに、さらに砂糖を入れたり等々手を加えるなんて、何て贅沢だろうと思ったもんだ。
画像
それにしても、何だ、これは?!の一枚。

『ここに描かれた人たちの表情は愚かそうではあっても、満ち足りており、見る者に侮蔑感よりも微笑を誘うように思われる』という著者は、『この絵こそ、食の愉悦を表現した傑作であり、「西洋美術史におけるもっとも愛すべき作品」であるとして、あちこちで紹介してきた』んだそうだ。

……私には何だかすごい絵に見える。すごく怪しい。
女性の隣の人物はほとんどジャック・ニコルソン、「シャイニング」の世界だし、左端、口の中に入れた食べ物が見えてしまうという掟破りなTIMのレッド吉田似の人物ときたら、イッちゃってる顔だ。『愚かそう』というよりはどうしても「下卑た」という言葉が浮かんでしまう4人が4人ともこちらを見ていて、たじろいでしまう。 

行儀の悪さや「大食」に対する教訓を『表向きの口実としながら』、『たくましくも明るい生命力を提示した』この作品に、著者は『食べることの幸福感』を感じている。私も山盛りのリコッタを前にしたら彼らと同じように“貪り食っちゃう”んだろうから、その好意的な見方は反対しないどころか、ありがたいとさえ思う。恐縮だ。   
でも、やっぱり彼らの目つきはすごく怪しい。
「大食」や「貧欲」の世界はこんなに楽しいのよ、だからあなたもこっちへいらっしゃいよと女性は誘い、“レッド吉田”は、チーズの白い色のように清く正しく美しくあろうとしたって、こうやって食べちゃうぞー、そうすりゃみんな同じ穴のムジナさと最大級の誘惑と恫喝を仕掛けているようだ。反面教師としての引力をより強くしようとの意図か、堕落の甘美さを無意識になぞってしまったか、カンピは4人をすこぶるビビッドに描いているので、対峙する側は向こうにあるものへの意識とそれに対しての抵抗に至る戸惑いを強くせざるを得ない。

これを『西洋美術史におけるもっとも愛すべき作品』とする著者と作品の関係そのものが、最も幸福で最も愛すべきもののように思える。

画中の一員に十分なり得ると思う一方、作品を前にして私はたじろぐ。ヘビにリンゴを差し出されたイブもこんな感じだった?そう、私にはこの絵は魅惑の赤いリンゴかも。男の帽子は赤いし、そして、書きながら気づいたんだけど“レッド”吉田だし!?!

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