そしてブリタニック号は行く

そのままエンドクレジットが流れるラストの画面に広がるのは灰色の海。
すべての淋しさも怒りも、そしてファロンの誇りと愛と悲しみも黙ってのみ込む海は、再生の場でもある。だからこちらも身じろぎもせず波間を見入るばかりだ、甲板のファロンとともに。それが「ジャガーノート」のラスト。

ファロン登場でのバックの一面の赤には、「絞殺魔」の余りにも恐ろしいラストの真っ白を思い出す。
自分がわからなくなる恐怖のうちに白に埋没するデサルボに、みなぎる自信で赤を背景に従えるファロン。恐ろしいことにどちらも同じ人間の一断面なのだ、間違いなく。

彼のプロフェッショナリズムゆえの強すぎる自負心と、人としての情、弱さの架け橋であったろうチャーリーのセーターは、タートルネックとVネックの2枚ともピンク。

同じく淋しさと愛に満ちていた「カサンドラ・クロス」は、死の果てに愛があった。「ジャガーノート」で残るのは愛ゆえの淋しさだ。
昨日おどけて手を打っていた『ファロンはチャンピオン』。今日どんなに淋しく響いても、受け入れるしかない。

人は愛するものの名を呼ぶ。

ファロンは一体何度チャーリーの名を呼んだだろうか。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック