「雪之丞変化」で「ローラ」を聴こう♪

前記事登場の「黒い十人の女」は61年、「雪之丞変化」は63年の市川崑の作品。
申しわけないけど、初めは長谷川一夫の大きな顔の白塗りと裏声にキワモノ感も禁じ得ず。でも、めちゃくちゃおもしろい「雪之丞変化」。

テロップ、極太明朝体ではない。小ぶりの文字が結構な密度でわらわら流れるから読むのが大変。ひょっとすると、1回に流れる文字数としては市川作品の中で一、二を争ったりして。

わたしには超オールスターキャストかも。二人とも初めて見たのがハラハラするようなおじいちゃんのときだったので、しゃんとした浜村純&加藤嘉を見るとわけもなくワクワクしてしまう。そして、船越英二のヅラの似合わなさ!

と、開巻早々にして視覚的満腹感が押し寄せてくるのだけれど、突然聴覚が刺激されたのは若尾文子登場のシーン。これって「ローラ殺人事件」の「ローラ」?!という旋律が!
彼女のテーマとして流れるわけで、そのたびにやっぱり「ローラ」と“確信”。デヴィッド・ラクシンは100のバリエーションを作れると言った云々のエピソードを読んだ記憶があるけれども、CDでは確かに多彩なアレンジを聴くことができる。その中でもより甘くてリリカルなパートと“見まごう”ばかりの旋律だ。

音楽はいずれも芥川也寸志。
わたしは「砂の器」「八つ墓村」から入ったので、彼の叙情はどうしても松竹特有の泥臭いイメージと結びついてしまう。だから、先日久しぶりに見た「黒い…」での洒脱・洗練は今さらながら新鮮だった。ここでも、時代物らしからぬ透明感のある華やかさが聞こえたりする。その出遭った順番はラッキーだったかなと思うが、作品は好きなのに音楽の印象は全くない「影の車」「疑惑」では一体どう感じるか、試してみたくなった。

くだんのフレーズは、もちろん長くないけどめちゃくちゃ短いわけじゃないし、若尾文子登場のたびに流れる。「雪之丞変化」で「ローラ」を聴けるかどうか、暇があったらトライしてみて♪

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