幸福な偶然

本屋で立ち読みをしていたとき、耳に入ってきたフロア続きのCDショップのBGMに手がとまったのは半年前。

その昔、サザンを形容するに竹田青嗣が用いた“ポップでキャッチーな”という言葉がなぜかしらやけに印象に残っているんだけど、聞こえてきたサビはまさに“ポップでキャッチーな”実に魅力的なフレーズ。でも、どのアーティストのものなのか全然わからない。
そのときCDショップにいたなら、お店の人に「今かかってるのはだれの何ていう曲なんですか?」と聞けたと思うが、隣の書店からパタパタ駆けつけて声をかける度胸なし。今にもかかとやひざはCDショップへと向かいそうだったんだけど。

生きている限り、このフレーズを思い出すたび、これが何という曲なのか謎なんだと、「あのとき思い切って聞きに行けばよかった」と思うんだろうなと、そうできなかった自分の度胸のなさについての後悔をほろ苦く受け入れていたころのある日、つけていたテレビからその曲が聞こえてきたじゃありませんか!なんとCMに使われている!!

必死で画面をチェック。そして、ついに判明。スガシカオの「午後のパレード」でした。

いやー、うれしかった。これであの“ポップでキャッチーな”サビをフォローできるのかと思うと体のどこかのこわばりが失せていく感じ。それもこれも、たまたまそのCMに遭遇できたおかげねと思ったけど……、超大企業のCMで大量に流されるんだろうから別に千載一遇ってなわけじゃないかといささか醒めてました。
でも、その後そのCMにお目にかかったのは二、三回。それも一つの番組において。やっぱりあのときたまたま見ることができたのは、実に幸運だったんだ。

つい先日たまたま目にしたスガシカオのライブのTV放送の予告、「午後のパレード」の場面だった。そこでのコスチュームやおそろいのトンボメガネ、そしてノリは、CDの雰囲気とはまた別物。この場面に遭遇したのも何かの偶然でしょう。その数秒見たライブの別物感が、片や半年前CDで感じた“ポップでキャッチーな”名曲ぶりを増幅する。
あのとき書店で耳にしたのも、テレビCMを見ることができたのも、ライブ映像をかいま見られたのも偶然のなせるわざ。小説や映画だけでなく現実に忌まわしい偶然が存在することも事実だけど、「午後のパレード」に関しては幸福な偶然に感謝するばかり。

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