「恐怖の振子」

スカパーでロジャー・コーマンの「恐怖の振子」を横目で見る、ほかの作業をしながら。だからまじめには見ていない。しかしここに記す気になったのは、R・コーマン独特の美意識はもちろんのこと、時代を経ても見る者を魅了してやまないバーバラ・スティールの魅力だ。何なんだろうな、彼女の魅力って。同性の私も思わず目を離せなくなる。可愛らしさとちょっぴりロリータっぽさもそなえている。かつ退廃的で、崩れつつある精神のあやかしさが何ともいえない。ゴシックホラーにはうってつけの存在。ふだん精神が崩壊するのをあらゆる手をつくして避けようとしている身には、あんなふうに自由に、かつ華やかとまでいえる美しさを伴って何のためらいもなく崩れることのできる彼女がうらやましいのだろう。
D・スーシェのポワロの「ゴルフ場殺人事件」に出演していた、あくまで夫を、そして息子を愛する夫人役の女優の若き日かなとも思ったのだが、どうも名前が一致しないから別人なのだろうが、B・スティールの妹役の女優の実に楚々とした上品な美しさもなかなかよい。姉との対照は作品全編を通じて楽しめる、ほんとに。
そして、V・プライスの“崩壊”も堪能あれ。実生活でそうできないものは、V・プライスとB・スティールのそれぞれの壊れ方を画面上で追体験すべし。

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