「よろしく」

嵐山光三郎の新聞連載小説。最初から読んだわけじゃないし、読み忘れる日もあれば、面白くなさそうな回は読むのをやめる。不真面目極まりない読者だが、身につまされることしきりだ。90%事実と思える介護記。残る10%は演出過多ぎみだが、老いた親の描写はことごとく引っかかる。“そうなんだよねー”“つらいよねぇ”と一人で相槌を打つ。
父君・ノブちゃんは78歳のころは矍鑠としていたそうな。こちとら78歳まで時間を残して矍鑠なんてこととはとっくの昔におさらばだ。いつ転ぶかわからないおぼつかない足取りを見ていると杖を勧めたくなるが、そこまではと思ってしまう。つまり、まだそこまで弱っちゃいないだろうという希望・願望があるし、本人の自尊心が許さないだろうことは想像にかたくない、現時点では。ノブちゃんはホームに入所していた。待機者があふれている現状からすれば幸せなことだ。……他人をうらやんでもしょうがないわな。

しかし2月4日の回は……、いよいよ佳境か?ここまでのトシ子さん(ノブちゃんの妻。嵐山氏の母君)とノブちゃんのありようはある種救いとなっていたが、それが壊れんとしている。ああ、こんな日がやってくるのかな。

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