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zoom RSS JULIO VELASCO−「ジュリオの当惑(とまどい)」−「夢みるサイコ」

<<   作成日時 : 2008/12/29 11:09   >>

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前記事のJULIO VELASCO、アルファベットで書くのには理由がある。

初めてTVで見たときからアナウンサーの発音も活字の表記も10年来ずっと「ジュリオ・ベラスコ」だったのに、ある日、フリオ・イグレシアスの「フリオ」だと友人がからかう。私と友人の間ではフリオ・イグレシアスはそういう存在。ファンの方ごめんなさい。でもそうなのだ、彼はアルゼンチン生まれ、確かに「フ」だ。個人的にあんまり使いたくない「フ」に、愛着があるもののもはやイノセントに使えなくなった「ジュ」、小さな葛藤をアルファベット表記はナンセンスにしてくれる。

がん克服前のナンニ・モレッティ作品で見たことがあるのは「ジュリオの当惑(とまどい)」と「僕のビアンカ」。後者の主人公はさみしがりやの人間嫌い。前者の主人公の神父は、“ため息が出るように救いがたい”と“自分には手を施すことができない”、双方の意味での周囲と自身のどうしようもなさにさいなまれる。そんな居心地の悪さが心地よかった。

スペインで働くとなればいよいよもって「フリオ」だ。が、私にはやはり「ジュリオ」。初めて存在を知ったときの衝撃と感嘆とともにその名はある。

そしてベラスコ。
ベラスコといえば「ヘルハウス」。「ヘルハウス」を知らしめたのは手塚真の「夢みるサイコ」。(以下、『』内は同書(新書館)からの引用)
『“ヘルハウス”のエネルギーに対抗できる唯一の力、それが“パワー・オブ・ラヴ”』と語り、「ヘルハウス」をラヴ・ストーリーとする著者だが、読み手が圧倒されるのは著者の作品へのパワー・オブ・ラヴであることには間違いない。ここまで愛されて「ヘルハウス」も幸せねと思うくらいだ。

『もちろんぼくは『ヘルハウス』の数ある欠点、映画としての完成度の低い部分、もっとうまくつくることができるであろう部分を知っているし、それを挙げることもできるでしょう。しかし、そんなものがなんだというのですか。』
一瞬、盲目的愛情と形容したくなる著者の眼差しは、盲目的どころか、作品とその背景を広く深くサーチライトで照らしウオッチする、外科医のような目で。浪漫主義者のアナリストの冷静な情熱。「SASUKE」の障害物じゃないが、ピンときた対象には目つぶって飛びついて、そのまま抱きついていられるかずり落ちるかは天任せというぶつかり方ばかりの自分には別世界の愛だ。

「禁断の惑星」についてのコラムではこうも書いている。『なみの映画ファンは『ヘルハウス』にさえついてこられない程度なのだから(中略)『禁断の惑星』などは、もう理性の範囲を越えてるのじゃないでしょうかね。わーい、ロビー・ザ・ロボットだ、わーい、アン・フランシスだ、とそのぐらいのことで喜んでいるしかないのではないでしょうか。』
エピローグの『自分でもあきれてしまうほど文筆力に不自由なぼく』のように謙遜を効かせ過ぎて嫌味に聞こえることもあるが、水面下には絶えず自負、優越感が存在。これが、丁寧な語り口の下、結構ポップに躍動しているようだ。あらゆる方面の深い知識と洞察、また製作にも携わっていることからの寛容は実際どれほど自負しても構わないものなのだからともかくとして、下手な謙遜は不必要。しない方がいい。
本書が非常におもしろかったので続いて手にした「視覚的恍惚」の、結婚前の岡野玲子への公開ラブレターたるあとがきにノックアウトされて以来、著作は読んでいない。謙遜と自負はどうなっただろうか。「ヘルハウス」は依然彼のベスト・フィルムだろうか。

ジュリオ・ベラスコの文字にはこんなことを思ったりもするのである。

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