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zoom RSS 南条先生は瞳を逸らさない

<<   作成日時 : 2008/05/04 02:19   >>

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ミステリチャンネルでオンエアしたTVシリーズ「女子高校生殺人事件」の原作、小峰元の「アルキメデスは手を汚さない」を読んだ。
以降、どちらの内容についても触れていることをお断りしておきます。

3月2日の記事に書いたように、昔々その辛気くささにシリーズを途中放棄し、今回もその感覚に変わりはなかった私には、全7回の「7」はすごく大きい数字だった。ヒロイン・南条先生を演ずる山口果林の、次々事件が起ころうと、たびたび辛い立場に置かれようと何の動揺も困惑も映さない黒目と重ためのまぶたを見ていると、いつの間にか眠かけしていて、中学校の数学の授業時間のように首ががくんがくん。でも、音楽への興味と今ではあり得ない若者像の“新鮮さ”に助けられて回を重ねていくと、彼女が綺麗な女性であることがわかってくる。笑うと案外かわいいと思えたりして、慣れってすごい。

シリーズ終了後、原作を手にした。
なんと、南条先生登場せず!同じシリーズの「いとこ同志」の原作からのかけ離れぶりを失念していたのはうかつだったとはいえ、主人公がドラマのオリジナルとは!!そもそもの女子高校生の死に方からして違う。彼女の婚約者も出てこない。主要部分の違いに驚いていると、せりふがすっかり同じだったりしてまた驚くのだが。

出会いの順番は大きい。先に本を読んでいたら“原作とドラマは別物だから”というエクスキューズがついて回っただろう。でも、素直に名作ドラマだと思える。
核となる一人の目を設定したのはよかったと思うし、アルキの会の存在が明らかになるのが原作よりかなり早くて、大いに謎めきをあおっているのもいいのでは。この“かぎ”を利用しないのはもったいないし、存在に重みを持たせた方が会の趣旨のインパクトとバランスがとれるから。というか、それだけ重く扱ってほしい趣旨だから。
一番よかったのは、アルキメデスは果たして手を汚さなかったか問いかけるのが南条先生になったことだ。原作では同級生の男子がその役を担う。私の甘さかもしれないが、考えの青さを指摘し、手を汚して現実に立ち向かうべきであることを語るのが同級生ではちょっぴりやり切れない。同時にそこはかとない出来過ぎ感も。やはり彼らよりも人生経験を積んだ者がナビゲートした方が救いがあって自然に思える。女生徒の一人の「歪んだ計算」(原作より引用)も彼との会話で彼女自身が気づかされるのだが、南条先生の存在でそれは彼女から女教師への自発的な告白となるのも救いの一つ、TV的に、個人的に。

途中からの「原作を読んでみたいな」を「ぜひ読もう」に変えたのは、これまた山口果林の黒目。最終回、彼女の瞳はすばらしく意志的に輝くのだ。まさしくそれまでの感情のなさはこの輝きを倍増させるための布石と思ってしまうほどに。「何の動揺も困惑も映さない」から「何があっても揺るがない」へ遡って形容が変わるほどに。
若者たちの思いを前に、すばらしい人生の先輩である南条先生。生徒たちからどんな目で見られようと、あるいは見てもらえなかろうと、彼女は最初から最後まで動ずることなく彼らから瞳を逸らさなかったのだ!

かつてのおもしろくないドラマが今は名作に。ああ、最後まで見て本当によかった。
今度は途中放棄させず、原作を読むにまで至らせてくれたすべてのファクターにただただ感謝!!

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