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zoom RSS 「火の鳥」の尾美トシノリ

<<   作成日時 : 2007/07/14 14:59   >>

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録画を見ようとした途端、主題歌を松崎しげるが歌っていたことを突然思い出した市川崑の「火の鳥」。
本編終了後聞けるかと楽しみにしていたら、「完」でおしまい。先日の金田一耕助シリーズのオンエア時と同様に非常に感じたのは、エンドクレジットなしの潔さ。かえって余韻も強く受け取れるみたい。

初のアニメと実写の合体が話題だった。記憶よりもアニメの存在感が今回は薄い。違和感が少ないという換言も可能かも。受け手の経年変化というよりは合体は実は案外うまくいっていたのかもしれない、という物言いは豪華スタッフに失礼か。

市川崑の例のテロップ、ポイントの小さい文字はなんで明朝体でなくゴシック体なの?とハテナマークが頭をもたげたこのたびの観賞では、弓を引く姿に草刈正雄が左利きであることに初めて気づく。彼のめちゃくちゃかっこよさときたら感動ものだ。「病院坂…」は翌年の作品。黙太郎役もそうだけど、むさ苦しいなりの方が濃い二枚目にはちょうどいい。
由美かおるがこれまた「病院坂…」の桜田淳子とリンクしたり、“水のある空間の男女”という情景に「竹取物語」を思い出したりと市川ワールドを楽しむのはもちろん、高峰三枝子の驚くべき体の柔らかさも見逃しちゃいけない。

そして、尾美トシノリ。
成長してかなり変わったとはいえ、後年の彼からこのときの面影を探そうとするのはそう無謀な試みではないと思うのだが、自分には「火の鳥」とそれ以降の彼はなぜかはっきり線引きされていた。

録画を見て理由がわかったような気がする。声変わり前でキーがかなり高い。加えて、セリフまわしが信じられないぐらいかわいい。これは視覚媒体では全くフォローできなかったこと。無意識に線引きが出来上がっていたのも無理ないと思った。
そして、セリフだけじゃない、表情から体の動きから実に生き生きしていて、彼、輝いてる。子役時代ならではとか役柄的にという域を超えて、『「火の鳥」の尾美トシノリ』はかけがえのない輝きを放っている。その後「としのり」に変わり、「トシノリ」が更新不能の絶対の存在となるのも象徴的。

「永遠の命?そんなものが何の役に立つ」。『死と再生』とすんなり対にしづらい心的状況下では最もシンパシーを覚えてしまう言葉だ。しかし、次に続く、だが永遠の命を祝福してやる、自分の名を子々孫々まで伝えるがいいという利己と傲慢がやりきれない。

このフレーズが語られるのは火の鳥が甦る場面。一大クライマックスなのだが、ほとんどの登場人物の死という脱力とも相まって、火の鳥再生と時空を超える飛翔のスケール感は大きく虚無に傾いてしまった。
作品との出会いは一期一会、全く同じ気持ちで向き合うことはないとはいえ、この場面の喪失感はぬぐい去れないだろう。なぜなら、直前に見なければならないのは、ナギの、尾美トシノリの最期だから。

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