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zoom RSS 「ヘルボーイ」 「豚と天国」

<<   作成日時 : 2006/11/25 23:31   >>

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ギレルモ・デル・トロの「ヘルボーイ」、最後にジョン君が語ってくれちゃう作品のメッセージは、普遍的なものが持つ静かな強さが感じられていいと思う。

ダークでグロテスクでありながらゴシック調のすばらしくスタイリッシュな造形や個性的で魅力的なキャラ、そしてなんでもありの世界を楽しんでから、それとは好対照なシンプルでベーシックなメッセージが、“ヘルボーイの見守り役を教授から引き継ぐ覚悟ができました”とでもいうような口調で語られるのを聞くと、ついついそのポジティブさに体の外側も内側もじんわりしかける。
でも、そこで浮かんできたのは「豚と天国」だ。

三つの話を絡ませてペルーの人々のありようを寓話性やリアリズム、ブラックユーモアで描く「豚と天国」、ものすごく打ちのめされた。自分にとって最もリアルに突き刺さったのは救いのなさだったから。
特に人気DJのエピソードだ。理性ではどうすることもできない心の御し得なさ。実効と空疎という言葉の両義性のそら恐ろしさと、それでもそれにすがる善良なんだか厚顔なんだかわからない人々の希求心。生きていく上で必要な偽り、つまり人は真実のみによって生きていけるものではなく、時になくてはならない“修辞”をそのまま偽りとしか受け取れなくなったときの孤独。そして絶望。まるで、それまで目をそらしたいとしていたものを“直視しなさい”と見せつけられたようだった。

地獄や魑魅魍魎の世界での異形のヒーローの活躍から届いたのは、温かく、自然と勇気づけられるメッセージだった。そして、寓話性やリアリズム等々で描かれた愛、信仰、家族、貧しさなど人の生から私が受け取ったのは、救われなさ、絶望だった。もちろん「どっこいそれでも生きていく逞しさ」や「何かを信じることで心のよりどころを実は自分自身で生み出している人間の営みの健気さ」は十分過ぎるほどよくわかる。それだけになおのこと、あのエピソードの絶望が自分にはほとんど現実であったことの衝撃は大きかった。

「コミックの世界のからの温かな勇気」と「リアルな作品世界の残酷と絶望」がせめぎ合うのを感じながらエンドロールを見ていました。

……って、あらら、マニングはどーなっちゃうんだ?
私の大のお気に入りはエイブ。続編ではもっと出番を!ロン・パールマンは「ロストチルドレン」も好きだけど、ジュディット・ヴィッテちゃんの美しさはあのときだからこそのものだし、今は余り活動していないみたいで続編は当然無理。ということで楽しみはセルマ・ブレアとの再共演。薄幸感と意志の強さが同居しているリズはとてもいい。そして、「ヘル…」以外では活躍しているんだかどうだかよくわからないパート・エヴァンスは、そのかわいいお顔をまた見せてくれるのでしょうか?
生きることの酷薄を認識した上でファンタジーならではの勇気と希望を享受するのも、一つの味わい方だ。

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