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zoom RSS 「悪魔の調べ〜ミステリー映画の世界〜」

<<   作成日時 : 2006/11/24 22:45   >>

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“東宝レコード原盤による金田一耕助映画ベストセレクション”と銘打った日本コロムビアの「悪魔の調べ〜ミステリー映画の世界〜」は、個人的にはどう受けとめていいかわからないなんとも不思議なCD。

市川崑の5作に(ただし、CDは復刻盤で、オリジナルLP発売後発表の「女王蜂」と「病院坂…」はボーナストラックとしての追加収録)、野村芳太郎の「八つ墓村」、そして高林陽一の「本陣殺人事件」という構成だが、私が見つけたときは、市川崑のほかの4作はSLCから既に復刻されるも、肝心要の「犬神家…」は諸事情からいまだ幻状態だった。下手に4作については聞けてしまったがゆえ残る1作への渇望は極限に達しようかというときに出会ってしまったので、大野雄二のオリジナルではないとわかっていても、一も二もなく購入。う〜ん、これこそ企画者の思うつぼってところでしょうね。

非オリジナルの「犬神家…」「八つ墓村」「本陣…」の編曲はいずれも神保正明。検索してみると、タイムボカンシリーズ(私が一番好きなのはなんてったって「ゼンダマン」)で山本正之とセットで活躍!の彼だが、ここではアレンジャーとしてシリアスな仕事を披露。

「愛のバラード」。一言で形容するなら“似て非なるもの”だが、その物言いが通常含むネガティブさは最大限に薄めて、むしろポジティブさを込めたいと思う。あのメロディを聞けるうれしさと、使用の楽器こそ違え部分的には譜面そのまま使ってんじゃない?編曲だとあんまり著作権気にしなくていいの?この確信犯!という幸福な“共犯感覚”を味わえ、かつ、人の心の奥のそのまた奥をざわつかせるオリジナルの厚みにはさすがに及ばず大野雄二の唯一無二たるすばらしさを改めてかみしめられるということで、いろんな意味でその健闘&玉砕はあっぱれ。

オリジナルは大林宣彦による「本陣…」。本編の“御詠歌”はとても印象的だが、ここでの郷愁に満ちたリリカルな調べはそのまま使えるものだ。リーフレットにはチェンバロを用いた編曲に関し「洗練したスタイルにアレンジされ」と記述されているけれども、私はその音色に土着の風土性といったものを感じる。例のダルシマの民族性と通じるかもしれない。
神保版の「本陣…」、実際使ってもおもしろかったんじゃないか……って、ここら辺から不思議さが増してくる。

「八つ墓村」。映画以外ではラジオでしか芥川也寸志の曲を聞いたことのない私には、恥ずかしながらオリジナルとの違いがわからないのである。違和感全く感じず。ラジオでの数回のうちの1回は、「愛のバラード」のフルバージョンも同番組で放送されるとのことで一緒に録音し、繰り返し聞いた、随分昔の話だけど。それでも違いがわからない自分の記憶&耳が不思議かつ情けない。

そして「女王蜂」なのだが、SLCでの復刻済み4作からは三、四曲の収録。厳選の上にも厳選を重ねての選曲だろうが、公開当時のLPには採用されなかった「愛と憎しみ」が入っているのだ。素人の耳にも“このアレンジはいかがなものか”というフレーズが存在し、未発表さもありなんという「愛と…」が、エッセンスの凝集のはずのこのオムニバスに収録されているのは何とも不思議。ほかに入れてしかるべき曲はあると思うんだけど。演奏秒数の兼ね合いもあってのことだろうか。でも、“やっぱりちょっと違うんじゃないかな感”強し。

……何を意図して世に出たのかよくわからないこの1枚。金田一映画の音楽をほんとに楽しみた者にとっては各々の作品の曲数は少なく物足りないし、リーフレットにも言及してあるように「悪魔が来りて笛を吹く」は入っていないし、非オリジナルは“堂々”収録されている。なぜか私は「愛情物語」の怪奇人形化した加賀まりこを連想してしまうジャケットのイラストも、“どうしてこういう作品が採用されるんだろう”とわけのわからなさがいっぱい。
とはいえ、前述のように何でもいいから「愛のバラード」に接したいとの思いから引っかかっちゃったのは私だけではないだろうし、オリジナルではないとはいえ「本陣…」が収録されているのは貴重なんでしょう。一期一会に感謝。
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N郎♪音汰。
2006/11/27 00:30
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とても良いブログですね♪お気に入りに追加いたしました、良かったら私のブログも見てくださいね♪相互リンクしたいんですが可能ですか? ...続きを見る
音楽ダウンロード
2006/11/28 04:53
プラダ トート
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プラダ トート
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。秋もだいぶ深まってきましたね〜。

このアルバム(CD)については、カヴァーの楽曲より、東宝オリジナルの楽曲が一枚に収録されているってところがお得だと思います(笑)。何度も聴いているうちに「病院坂〜」の楽曲が意外にもよく、再発見をした感じでした。

『八つ墓村』の「道行のテーマ」のカヴァーについてはストリングスの音色がオリジナルとは違うな〜と思ってました。演奏もこちらのほうがフレーズを切っている感じで、同じ曲とは言え、やはり演奏によって音楽が違う〜と思いました。多分編成もオリジナルのほうが人数が多いと思われ、その分重厚な感じが出ていると思います。
N郎♪
URL
2006/11/27 00:26
(つづき)

「愛のバラード」は俺も大野雄二のフルバージョンがすべてにおいて最高傑作だと思います。あの前奏はこれから始まるってかんじでホント素晴らしいですね〜。この版の「愛のバラード」はカヴァーということで悪くはないですが、やはりオリジナルの素晴らしさを好きなだけに、物足りなさは否めない。大野雄二が2005年に自身でカヴァーした「愛のバラード」があるんですが、メインメロディーが三味線(上妻宏光)で、あの「愛のバラード」とは別物だと思います。ところで『犬神家の一族』ってやっぱり晩秋のイメージがあるんですよ。だから「愛のバラード」も晩秋になると聴きたくなります。リメイクの映画は初夏ぐらいのイメージなんでしょうが。
N郎♪
URL
2006/11/27 00:27
こんばんは♪先日スタッドレスタイヤに交換したところです〜
遥か昔の記憶で“オリジナルとの違いがわからない”なんて言っちゃいけませんね。このCD収録の「八つ墓村」のそっくり感が払拭できないでいたのでしたが、やっぱり芥川也寸志のオリジナルを聞かなくちゃと改めて思った次第です。

例の極太明朝体が使われていないとかオープニングがそれまでにないジャズナンバーであること、そして「女王蜂」である意味女優陣の集大成ができてしまっているということで、「病院坂…」ってどこか特別編的性格を否めないけど、佐久間良子(&小林昭二)の存在感とともに、曲の切なさ、重さ、運命感はどうしてどうしていいですものですよね。
ぐれた
2006/11/27 21:34

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