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zoom RSS 小学館少年少女世界の名作フランス編−5「ルコック探偵尾行命令」 

<<   作成日時 : 2006/10/31 20:01   >>

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久しぶりに開いた横溝正史の短篇の中に「ルコック探偵」という文字が。
10月20日の記事に絡んで、「“たんてい物”ではほかに「ルコック探偵尾行命令」があったな」とちょうど思い出していたばかり。“意味のある偶然の一致”。

エミール・ガボリオのこの作品、「ゆうれい塔」に引き続き引っ張り出してきてみたら、これまたやたらおもしろい。どうやら「ルコック探偵」とか「大探偵」と訳されている作品のようだ。

ルコックが相棒に選んだ「酒好きの年とった刑事」の名前がアブサントってのがいいな〜と思ったら、これは“そう呼ばれている”というのを子供向けにわかりやすく“名前”にしてしまったみたい。勧められるままに飲んで酔っ払っちゃってヘマをする彼に親近感がわいちゃったりして。

雪に残された靴跡からホームズばりに推理するシーンや、謎の男との暗号をめぐってのかけひきに横町から横町へとパリを歩き回る追跡劇は、子供向けにアレンジされていてもかなりハラハラドキドキする。
事の起こりは親の代から。ナポレオンの隆盛と失墜を背景にした入り組んで血なまぐさい人間関係が明らかになる後半は圧巻。前半の論理的でドライな推理劇&手に汗握るハードボイルド活劇に後半のそのどろどろ人間ドラマと、すごく濃い。濃密。名作だ。

「決してうわべを信じてはならぬ」の基本姿勢は開巻間もなくの謎の男の捨てゼリフの解釈をめぐっても存分に発揮されるが、クライマックスの手前、恩師タバレ先生(彼が名士録に示される“点”の事実をつなげて“線”とするくだりはやたらワクワクする)から“事件の裏に隠れている政治の歴史を研究しなければ”の教えとともに改めてその基本をさとされるルコック、「大探偵」以降どんな名探偵になっているんだろう。ほかのルコックものも読んでみたいと思わずにはいられない。
ガボリオとアレクサンドル・デュマは知り合いって、そんな時代にこんな作品が書かれていたのかという感嘆の驚きと、よくぞこの作品を全集にチョイスしたもんだという小学館担当者への感謝の驚きでいっぱいだ。

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[名作文学]ルコック探偵尾行命令(ネタばれ注意!)
(あらすじ)  パリの裏町の酒場で起こった殺人事件。  3人を射殺した男が現行犯で逮捕される。  何か裏がありそうな事件であるが、犯人は何かを隠して多くを語らない。  ルコック探偵と謎の囚人・メイとの追いつ追われつの知恵比べが始まる!  いや〜これは傑作です ...続きを見る
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