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zoom RSS 「犬神家の一族」の音楽by大野雄二

<<   作成日時 : 2006/06/16 23:24   >>

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「きょうも崑さんコーンスープ」。たしかニチレイの冷凍食品のCM。当時は「テレビで宣伝するほどのものかいな」とぼーっと眺めていたもんだが、今振り返ると、天下の市川崑が冷凍のコーンスープCMにって、出演を依頼する方も依頼する方、承諾して出る方も出る方とほとほと感心する。CMそのものは、コピーのべたべたさに全然気がつかないほどシンプルな淡々とした空気が悪くないものだったように記憶してるんだけど。

前置きはさておき、前回書いたように「犬神家…」のリメイクがどんなものになるか気になるところ。そしてそれは俳優陣や演出のみならず音楽も大きなポイント。先日「展覧会で逢った女の子」が彼の作品と知って心底驚いたわけだが、大野雄二の「犬神家…」の音楽は、今さら言うまでもないことだけれども余りにも余りにも素晴らしいものだから。

“映画を見終わった観客がサントラを買い求めに殺到した”みたいな物言いは結構目にする。が、家族が持っていたチラシの松子のイラストの不気味さは嫌というほど覚えているとはいえ、リアルタイムでフォローし切れなかった私がサントラ盤収録の「愛のバラード」を聞く至るのは、公開の数年後、ラジオの放送においてだ。大野雄二と芥川也寸志の映画音楽特集というプログラムは前もってわかっていたので、もちろん録音。インドのシタールによる音色とそのときのラジオでの解説を記憶していたのだが、CDのリーフレットにはハンガリーのダルシマとある。どちらでもいいです、とにもかくにもエキゾチシズムと懐かしさが同時に感じられる響きと旋律に魅了される。
ということで、サントラ盤による「愛のバラード」をすっかりすり込まれてから映画を見ると、オープニング後半も後半の時間合わせのためのカットはかなりぎょっとさせられるものだ。それはサントラ盤を知らなければまず気づきようがないもの。でも、フルバージョンを知ってしまったものにはそうはいかない。えぇーっ、こんな切り方&繋ぎ方するか!?というしろもの。実際カットされたのは大した秒数ではないだけに、幾ら総上映時間等の諸事情があっただろうとはいえ、あれぐらい何とか調整できなかったんだろうかと思わずにはいられない。単なる観客ですらそう思うこの編集、大野雄二は作曲者としてどんなに悔しかっただったろう、我が身を切られるごとく辛いことだったろうという思いと、ひょっとすると映画&TV音楽の徹底したプロとして案外割り切っているのかもしれないという考えと、全く相反する推測が渦を巻く。「愛のバラード」を思い出すたびに、耳にするたびに、76年版「犬神家…」を見るたびに、大野氏本人に聞かなければ解決のしようもないこの煩悶が胸の底に熾るのだろう、この先も。

しかし、私がぜひ一人でも多くの人にオリジナルを聞いてほしいと思うのは、それとの比較で映画でのカットされ方がいかに無惨であるか、残酷であるか知ってほしいためじゃあない。映画バージョンは即メーンフレーズから始まっていてそれはそれで違和感なし、別に“それ”がなくともいいと私も思う。でも、作品としてこの世に生み出されているのに、“それ”、つまり唯一無二の美しさでもって胸に迫り来る前奏を聞かないというのはすんごくもったいないと断言できるからだ。フルバージョンの「愛のバラード」、聞くべし。

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♪愛のバラード 【1976】
平成版 『犬神家の一族』 のテーマ音楽について判明したことはあまりないが、「イヌ ...続きを見る
旅路の果てに
2006/11/01 19:30
大野雄二 「愛のバラード」
晩秋になると聴きたくなる曲がある。季節によって聴きたくなる曲があるから不思議なものだ・・・いや、人のメンタルにはある種の法則があるのかもしれない・・・。いまさら説明するまでもないと思うが、「愛のバラード」について簡単に説明。1976年角川映画第1弾として公... ...続きを見る
N郎♪音汰。
2006/11/29 05:46
♪愛のバラード 〜平成版での取扱いについて〜
先日、『犬神家の一族』をレイトショーで観て来た。 で、感想はというと、 想い出の ...続きを見る
旅路の果てに
2006/12/27 17:36
クリストファー・クロスのニューヨーク・シティ・セレナーデです。
クリストファー・クロスのニューヨーク・シティ・セレナーデです。 ...続きを見る
癒しのバラード大全集
2007/08/20 23:54

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
不躾なTB大変失礼致しました。
♪愛のバラードそのものに触れている方はなかなかお見かけしないですね。公開されたらまずは「使われ方」を観て来ようと思います。
FLAT4
2006/11/02 08:54
おはようございます。前から書こうって思ってたんですが、俺も「愛のバラード」書きました。ぐれたさんのブログから一部引用させていただいております。やっぱり“それ”は必聴ですよね〜(笑)
N郎♪
URL
2006/11/29 05:58
こんばんは。平成版愛バラのご報告もかねて再びTBさせていただきました。N郎♪のブログにもコメントさせてもらったのですが、やっぱりオリジナルのフルバージョンですね。
FLAT4
URL
2006/12/27 17:53
すみません、さっきのコメント中、N郎♪さんに「さん」を付けるのを失念してしまいました。大変失礼致しました!
FLAT4
2006/12/27 17:56
FLAT4さん、TB&コメントありがとうございます!
私は『ゼッタイ年内に「犬神家…」を見に行くのだ』がささやかな目標なんです。ということで、この目で見るまで、この耳で聞くまで極力世の中の皆さんの感想とは禁接触としているので、FLAT4さんの記事も今のところ封印してるんです、ご容赦を〜。
実はついアクセスして数秒読みかけてしまったんですけどね、いかんいかんと慌てて閉じちゃってた次第です。

話は変わりますが、ウェブリのコメント欄って、狭くて書きにくい・字数に制限がある・最終的な確認ができないの“困ったモンだ”三拍子の揃い組みですよね。あたしなんて、書き込みしてからの“あちゃ、しまった”、一体何回あったことか。
せめて確認のワンステップは必要と事務局にお願いしようと思いまーす。
ぐれた
2006/12/28 19:56

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