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zoom RSS 「エラリー・クイーン」♯3

<<   作成日時 : 2005/10/17 22:22   >>

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今回はキャストにびっくり!とんでもない豪華な顔ぶれ!!とはいえ、超個人的にだけどね。
だって、最初に 「天国は待ってくれる」のドン・アメチーの名前が出てきて“おぉっ”と思ったら、アイダ・ルピノにスーザン・ストラスバーグ、そしてアン・フランシスとな。ひえ〜っ、こんな面々一堂に会せるのーと思いながら見ていたら、もう一人おなじみの人物の若き日の姿が。トム・セレック主演「私立探偵マグナム」の慇懃無礼かつ口うるさい、でも愛すべき執事(?)を演じていた俳優だ。ジョン・ヒラーマンと後で名前を確認。いやいや、本当に豪華メンバーだな。

正味45分程度のTVシリーズ、D・アメチー自身の登場時間なんてそんなに多くないのによく出演したもんだな。ま、ルビッチ作品から「コクーン」と映画俳優のイメージしか自分が持っていないからそう思うのだが。実際のところ、映画でもTVでも来るもの拒まず仕事していたのかな。
彼以上にそう思うのはS・ストラスバーグだ。彼女って何の作品で有名だったかしら。リー・ストラスバーグの娘ということを除いて。そういや代表作って……何だ?「女優志願」を見ていない私としては「ピクニック」のキム・ノヴァクの妹役しか記憶がない。それでも小柄で目が大きくてという容姿にはなぜか勝手になじみがあって、年とっていたけどちゃあんと彼女でした。
それに比べてといっては申し訳ないが、I・ルピノにA・フランシスはさすがに“TVサイズ”に燦然と輝きを放っているように感じる。A・フランシス、いつ見ても口元のほくろがセクシー。そして、I・ルピノといえばどうしてもコロンボの「白鳥の歌」での感じの悪さが先に立つが、ここでの彼女、なかなかきれいだった、本当に。出番は短かったけど、私はそれなりに感情移入というか、彼女の側に立つことはできた。もちろん役柄からだけでなく、演技者としての彼女の発する怯えから。

以下、ネタバレです。
今回のポイントは「遠隔操作による殺人」。殺人現場におらずアリバイもある人間が、前もって用意した殺人の対象への自死への誘導の録音を聞かせることで殺人を果たせたのかが問題となる。最終的な詰めとしては極めて鋭い観察眼と合理的な論理で真犯人を導き出すから、さすがクイーン作品として納得というわけだが、遠隔操作による殺人という非論理性、はっきり言えば荒唐無稽さと、自分がこれまで長編を読んで抱いてきた作家クイーンのイメージとはどうしたって異質なものなので、本当にクイーンがこういう作風、雰囲気の作品を書いているのかぜひ確かめたいものだ。ストーリーそのものはまさか曲げてはいないだろうから、その空気が文字とドラマとでどこまで同じでどんなふうに異なるのかを。ただしシリーズを見終わってからね。初回の感想に書いたように、どうせ原作を全く知らないんだから、まずはミステリドラマとして楽しませてもらわにゃ。

そして、もうこれは毎回のことになるんだろうなあ、リンク&レビンソンがかかわっていますからね、ちょっとしたことでもコロンボを思わずにはいられません。はい、前述のように今回は俳優としてはI・ルピノ。世の多くの人には“コーネリアス”、かつ私にとっては「ヘルハウス」のロディ・マクドウォール出演の「死の方程式」には、I・ルピノとA・フランシス二人とも出ているものね。
そして驚いたのが「遠隔操作による殺人」というモチーフ。ここでは時代的なものもあってか、死へいざなう録音のみがその手段として取り上げられていたが、これはコロンボ第31作の「5時30分の目撃者」の母体となっていることだろう。ここでは時代も下り、さすがに精神科医師というプロによる暗示・催眠や薬物とリアリティーを増している。でもやっぱり一歩引いて見れば“おいおい”モノであることには間違いないんだけど、我が国からは想像もつかないほどサイコセラピーにかかることがポピュラーかつある意味ステータスシンボルであり、またさまざまなドラッグ、向精神薬も同様にポピュラーなアメリカということと、そして、精神科医を演じるジョージ・ハミルトンのそのときはまだ全然衰えていないマスクから醸し出される甘く蠱惑的なオーラ(彼ってやっぱドラキュラ役が似合うと思う、若き日のフランク・ランジェラと並んで)でもって、“ありえねー”犯罪も、ちょいとコロンボとしては異色のセクシーな雰囲気の中、そんなことできるかよと突っ込むことも忘れて引き込まれる。ラストの決め手も引っ掛け。だから全体通してほんとに“おいおい”モノなんだ。でもおもしろい。
そういう作品を生み出すリンク&レビンソンってやっぱ凄いでしょう、だから目にしているのは「エラリー・クイーン」でもそれを足がかりに心はご両人とコロンボへとなるけど、それだからこそ、そのワンステップ前の存在として「エラリー…」は貴重だ。本当に今回は、あの時代にしてもはや、かつクイーンの作品世界に「遠隔操作による殺人」が登場ということで、改めてミステリものの歴史の深さ・長さを知らされました。

余談だけれど、「5時…」でJ・ハミルトンの声を演じていたのは数カ月前に亡くなられた小林勝彦氏だったんじゃないかな。「ハーディー・ボーイズ」(ショーン・キャシディ!)のお父さん役からその存在を知るようになってから、声優として、俳優として数々の作品で楽しませていただきました。遅ればせながら、お礼を申し上げるとともにご冥福をお祈りいたします。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
通りがかりの者でございます。
レビュー、楽しく読ませていただいております。
僭越ながら、2つばかりコメントを。

1)EQシリーズの放映は、コロンボの第5シーズンと
同時期。「5時30分〜」の方が放映は先です。
2)1時間ものシリーズ22本中、クイーンの原作つきは、
「奇妙なお茶会」のみです。

失礼しました。
MACH
2005/10/25 21:33
MACHさん、コメントありがとうございます。
ミステリチャンネルでさんざんPRしていたのに全く触れていなかったリンク&レビンソンの名を1回目に見つけて、コロンボファンとしてかなり“舞い上がった”のですが、製作時期までは思いが及びませんでした。そうですか〜、「5時半…」の方が放映は先とは。また、4回目を見る前あたりの紹介で「クイーン原案」という言い方をお知らせで目にするようになり、「もしかして作品そのものとしてはないのかな?」とちょうど思い始めていたのですが…。
貴重なコメント、本当にありがとうございます。私はもう99%意地でこのプログラムの感想(面白かったか否にかかわらず)は書いていこうってな気になっていますので、また何かご指摘いただければ幸いです!!
ぐれた
2005/10/25 21:59

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