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zoom RSS 「ブルークリスマス」

<<   作成日時 : 2005/05/18 19:53   >>

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先週やっと見る。78年作品だから27年目にしての私の“ロードショー”ということになるか。当時、竹下景子と勝野 洋といえばゴールデンコンビで、私も2人とも好きだったので当然見に行くつもりだったのになぜか見ないでしまっていた作品。
前に書いたことがあるが、「草原の輝き」は見るのは遅かったケース。しかしこの作品は、当時見なくてかえってよかったと見終わった今では思える。10代前半の中学生が見るには(あくまで27年前のね。今の中学生にゃ当てはまりっこない)、余りに、余りに冷たい作品である。まして、主演2人のファンで期待に胸を“熱く”して劇場のシートに身を埋めていたなら、容赦ない冷た過ぎるショックに見舞われ茫然自失の状態で映画館を出ていたことだろう。
加えて、当時は沖 雅也が好きじゃなかったんだ。嫌いといってもいいぐらいだったんだ。彼に対する心情が180度変わったのは、「涅槃で待ってる」という言葉と行動と、再放送で見た必殺シリーズでの“棺桶屋の錠”のほれぼれするほどのワイルドで無鉄砲な彼を目にしてから。彼も役名「沖」の勝野 洋の同僚として出演しているのだが、冒頭、「沖」へのからかい半分の笑い顔が一瞬映る。それも、二枚目のマスクの持ち主としてもうこの上ないというような最高の笑顔が。今だからそう思えるんだろうな。当時だったら、余りにもキレイでチャーミングなその笑顔にきっと「ケッ」と思ったに違いない。でも今の私にとってはそうじゃない。ほんの1秒くらいのショットなのだが、「あぁ、彼があんな顔して笑ってる……」と何とも形容しがたい思いが胸に迫ってくるのは、今だからこそなのだ。

それにしても初期の勝野 洋は“大根”だよなぁと改めてしみじみ思わせてくれる(ジャガイモっていうかね)。でも、なぜかそこがいいというお得な持ち味の俳優。多分、彼の素の人柄のなせるわざじゃないかと好意的に解釈しているが。そして、「お嫁さんにしたい女優bP」としてたちまち脚光を浴びた竹下景子。その容姿ゆえにだろうが、当時はたとえ何か内に秘めたものを抱いていてもその感情は表にあらわすことはないという役が多かったと思う。だからということと、プラス若くてまだまだ演技力に向上の余地があったということで、何を見ても実に淡々としたセリフ回しだったという印象がある。横溝正史シリーズの「不死蝶」しかり「黄金の日々」しかり。そして、「太陽にほえろ!」のメンバー大集合の「姿三四郎」の乙美役にしても(しかし、正反対の性格の令嬢の高子との二役ってのもオドロキだったが)。
が、「ブルークリスマス」においてはそれでいいというか、監督がそういう演技を要求したのかもしれない、どの役者にも。岡本喜八は、他作品で見せる“人間くさい、余りに人間くさい”という人物描写を一切排除している。仲代達也、岡田英次の描き方も物足りないし、大谷直子や草野大悟、大滝秀治、永井智雄等の面々まで出ているのに、そして岸田 森(あぁ)、天本英世、芦田伸介なんつう大御所の登場も実にあっさりしたものだ。思わず「もったいなーい」と言いたくなるほど。でもここでのテーマは、個々の人物、個性を描くことではない。だからいずれの俳優の面々も、淡々と、“大根”でいいのだ。一人一人の人間としての存在は問題外の、大きな機関(ここでは国、地球上のあらゆる国家)の思惑とマス操作の恐怖を如実に描く岡本喜八に脚本の倉本 聰。いかにもといえばいかにもの作品だが、逆にこれだけあからさまに表現していいのかとの思いもないことはない。作品として“デフォルメ”されているが、もっと小規模ながらも、SFチックではなくもっともっと巧妙に現実として、マスコントロールと何らかの形でのホロコーストは現に存在しているだろう。というか、いつの時代にでもなくなることはない人間の愚かさかと考えさせられずにはいられない。
今回ばかりは遅すぎた出会いに感謝する。そんなことは年を重ねた現在もう二度とないこと。だから余計にその感慨は深い。

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