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zoom RSS 合掌 野村芳太郎

<<   作成日時 : 2005/04/28 22:20   >>

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松竹映画というのは、いい悪いは別として「松竹色」というものが厳然として存在する。野村芳太郎は、ある面、その松竹色を醸し出していた代表者だ。
哀しいかな、えてして印象というものはいい印象よりも悪いそれの方が強く残るもの。彼に関しても、かの「八つ墓村」を仰天ホラーものにしてしまった監督というイメージはちょっと消せない。まさに「おいおい、こりゃ一体何だよ」ってね。しかし、「砂の器」を代表として数々の名作を生み出してくれた名監督、というか立派な職人ということは十分認識していた。今回の追悼の文章で、氏が私の認識以上にいかに精力的な映画人であったかを知ることができた。いかに松本清張から信頼されていたのかについても。人の死は悲しいものだけれど、追悼文によって自分の知らなかったその人となりに“今さらながら”でも触れることができるのはありがたいことだと思う、本当に。
10代のときに「点と線」を見た。見たのはそれ1回きりなのだが。冒頭、浜辺での女性の死体が映される。たしかカニだったと思うが、その死体の顔を上を這うのだ。が、その“死体”はピクリともしない。当時見たときは本物の人間にしか私の目に映らなかったが、顔をカニに這われてどうして無反応でいられるのかびっくりした。そう、今現在でもどのようにしてそのシーンを撮影したのか知りたくてたまらない。冒頭のそんな些細なシーンだけですごい!と思ってしまった。

今回の追悼によって彼がいかに間口の広い映画人であったかを知ったわけだが、やはり私の年代にとっては、松本清張の、サスペンスの野村芳太郎である。
「八つ墓村」はともかくとして、一つだけ別の人物が撮っていたら……という作品がある。E・クイーン原作の「配達されない三通の手紙」だ。野村版として、それはそれなりに重厚な雰囲気は氏ならではのものではある。栗原小巻、片岡孝夫(当時)に松坂慶子だもんな、豪華キャスティングだ。佐分利信、乙羽信子の重みと、あえて逆にはすっぱに演出していた小川真由美の対照は効果的だった。そして蟇目良だ!こりゃこりゃ貴重な一作だ。出番が少ない役に竹下景子というものなかなかだ。ただ、映画を見て、そして原作を読んで、これだけ濃厚な内容と入り組んだ人間模様、時の角川につくらせてみせたらさぞかしまた違った華やかな作品が我々に提供されていたのではないか、とはいまだもって思ってみたりする。当時話題になったのは松坂慶子のシャワーシーン。映画本編ではどうってことないんだけど、パンフを見せてくれという同級生(男子)と私の会話。パンフの裏表紙は実は彼女のセミヌード。胸は腕で隠しているが、おへその結構下まで写してるという代物。とてもその下に何かつけているとはあんまし考えにくいものだった(当時中学生の我々からはね)。私「映画のためには全部脱いじゃうってわけ?」、彼「そーじゃねーかー」。あぁ、いい時代だったねぇ。しみじみしちゃう。

「疑惑」の、桃井かおりと鹿賀丈史の“くされ縁”でつながっているとしかいえない2人のありようとラブシーンは私の映画鑑賞史に残るものだ。はっきり言って「事件」はTV版の方が好きだが、この「疑惑」は名作だ。なぜか。桃井かおりと岩下志麻という、めちゃめちゃ気が強く、意地でも“我が道”を貫き通してやるという女のぶつかり合いが前面に描かれ、それを楽しめるという作品だが、実は一番したたかな女のさまをきちんと監督は描いてくれている。岩下志麻の前夫の後妻(真野響子)だ。子供には面会させるという約束で離婚・再婚しているのに、結局は子供に会ってくれるなという。岩下志麻は弁護士役なんだから、それが法律上どういうことなのかは承知しているのだろうが、その申し入れをのむのだ。態度や外観でいかにもというやからはまだ“わかりやすい”。女の方だよな、わかりづらいのは。「柳に雪折れなし」のしたたかさを男性として描いた監督(清張の脚本によるかもしれないが)に敬意を表する。
そして「影の車」だ。怖いぞー。これは怖い。例の「松竹色」もほとんど感じられなく、サスペンスとしてというか、サイコものとしてかなり堪能できる。以前、善人顔が悪人を演ずるととても怖いと書いたことがあったが、真面目顔のサイコってのもかなりくるぞ。「影の車」、決して埋もれさせてはならない“娯楽作”だ。お勧めする。

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内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
昭和36年の週刊誌表紙の小川真由美についてもとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
kemukemu
2007/01/11 21:50

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